むかしむかし、
ある国にお姫様が誕生しました。
王様とお妃さまには長い事子供ができなかったので大層喜び、お祝いのパーティーをする事になりました。
大事なお姫様に祝福を授けてもらうために、国にいる13人の魔法使いを招待しようとしたのですが、特注のバースデーポン・デ・リングが12人分しか用意できなかった為招待した魔法使いは12人でした。
お祝いの日、魔法使い達はお姫様に美しさや富といった素敵な贈り物を次々と授けていきました。最後の12人目の魔法使いが前に進み出たその時でした。
「特注ポン・デ・リング・・・・食べたかった・・・・許せない」
窓からふわりと降りてきたのは、招待されなかった13人目の魔女でした。
「この赤ん坊が15歳になった時、目の前に素敵な王子様が現れるでしょう。だけどお姫様は手に持っていた“つむ”で王子様の(ピー)をブチ抜いて、自分もその“つむ”を刺して死んでしまうのよ」
そういうと13人目の魔女は風のように消えてしまいました。パーティーは騒然となりましたが
「大丈夫です」
そういって再び前に出たのはまだ贈り物をしていなかった12人目の魔法使いです。
「私は今の魔法を消す事はできませんが、少し修正を致しましょう。お姫様は15歳で“つむ”に刺されたその瞬間、お妙さんが突然俺への愛に目覚めこの胸に飛び込んでくるのです!そして2人はいつまでもいつまでも仲むつまじく暮らす事になるでしょう!」
・・残念ながら、12番目の魔法使いはゴリラでした。周りの人たちはゴリラの魔法使いが何と言ったのか全くわかりませんでした。なので僭越ながら私が人間の言葉に訳す事にします。
「私は今の魔法を消す事はできませんが、少し修正を致しましょう。お姫様は15歳で“つむ”に刺されますが、深い眠りに落ちるだけです。お城の中のものも全て、お姫様と同じように眠るのです。きっといつか、王子様が眠りから覚ましてくれる事でしょう」
と12番目の魔法使いは言いました。
「えええェェェ!?なんか勝手に魔法捻じ曲げられたんだけどォォォ!!?」
その言葉に王様もお妃様も涙を流して喜びました。
それでも心配だった王様は、国中の“つむ”を全て燃やしてしまいました。
そうして「」と名付けられたお姫様はスクスクと育ち、15歳の誕生日を迎えたのです。
*=*お兄ちゃんもう少しやる気出してください。*=*
その日、姫は今まで入った事のない所までお城を探検しようと色々歩き回っていました。
お城の隅に螺旋階段がグルグルと上まで続いている塔がくっついていました。姫は息を切らせながらもなんとか最上階の部屋までたどり着きました。
するとネコ耳をつけた老婆が不思議な丸い機械をカラカラと回しています。白い糸を作る機械のようでした。
「ダレガ老婆ダヨ、フザケンナヨ!コチトラ心ノ中ハピチピチノ18サイナンダヨ!!」
老婆は大分モウロクしているのでしょう、誰もいない虚空に自分は18歳だなとど喚いているのできっと「ちょっと触ってみてもいいですか」等と聞いても無駄だろうと思い、姫は機械に手を伸ばしてみました。その時姫の指に“つむ”が刺さり、そのまま姫はバタリと倒れ深い眠りについてしまったのです。慌てた老婆は
「ヤッベーヨ、コウイウ時ハトンズラスルニ限ルンダヨ!」
と言って塔から出て行ってしまいました。
その後、塔を中心に城の時間が止まって行きます。
完成間近だったシチューも火もそのまま、羽ばたいていた鳥も空中で止まってしまいました。
そうしてみるみるうちに城の周りをイバラが覆って外から何も見えなくなってしまったのです。
それからちょうど100年後。城の前に3人の王子が集結しました。
最初にやってきたのは隣の国のドエス王子です。
城の中にはたいそう美しいお姫様が100年も眠っていると聞いてやってきました。
長い間眠っていたお姫様は、きっと自分がどういう状況かもわかっていないでしょう。
自分が目覚めさせ、何も知らないお姫様を思い通りに調教してやろうという使命に萌えて・・間違った、燃えてやってきたのです。
次にやってきたのは反対隣の国のマヨラ王子でした。実はマヨラ王子には前世の記憶が残っていたのです。
前世での王子は姫よりも年上で、この城の庭師の弟子として働いていました。姫は彼に大層なつき、「お兄ちゃんお兄ちゃん」と慕ってくれていたのですが、彼はある日高い梯子から転落し、頭を打って死んでしまったのです。
その記憶を思い出したマヨラ王子はかわいい姫を助けるべく、城に乗り込む決意をしました。
最後にやってきたのはテンパ王子。どっかの国の王子様で、いつもダラダラとして死んだ魚の目をしています。さすがにお妃さまが苦言を呈すると、
「いいんだよ、いざという時はキラめくから」等と鼻くそをほじりながらのたまうので「じゃあさっさとキラめいてこいヨ!」と城から放り出されてしまいました。
姫の噂を聞いて城へ向かう途中で、でもよく考えたら100年前の美人で今の基準だとどうなん?微妙じゃね?と思ったのですが、なんとなく惰性でそのまま城まできてしまいました。
「なあ、なんか俺の設定だけ超適当じゃね!?」
テンパ王子は天に向かって突っ込みましたが、2人の王子は意味がよくわからなかったのでスルーする事にしました。
お城の周りはびっしりといばらが覆っていて、中に入るのは大変そうです。先陣を切って飛び込んでいったのはテンパ王子でした。
「え、俺?」
剣を振り、いばらをかいくぐりながら進みますが、いばらは次々とのびてきて王子を襲います。
「いててて、イタイイタイ!髪にひっかかるし!ちょっとォ俺もう嫌なんだけどォォ!?」
傷だらけになりながらも王子は弱音も吐かず、勇ましく城の奥へ進んでいきます。
ドエス王子とマヨラ王子も後に続きます。
3人の王子は塔の最上階にたどり着きました。
ベッドにはかわいらしいお姫様が静かに眠っています。
「・・で、どうするよ?」
「まあこの後の展開は諸説ありやすけど、ここは平和にグリム童話的に行きましょうや。王子様のキスで目覚めてめでたしめでたしって事で」
「じゃあそれはやっぱ俺の役目だよな。童話の王子って結構クルクルの巻き毛だったりするじゃん?ビジュアル的に王子っつったら俺じゃね?」
「いやいや、俺なんか普段からドS王子って言われてますからねィ。生まれながらの王子ですぜ、ここは俺が」
「少なくともニコチン王子じゃねー事は確かだな」
「同感でさ。ちょうちんブルマーすげー似合ってないし。そのままちょうちん膨らましてどっか遠い国まで飛んで行って死ねマヨラ」
「うっせーな好きでこんな格好してんじゃねーよ!だったらもうお前ら2人で決めりゃいいじゃねーか!こんな茶番つきあってられっか!」
3人の王子はお姫様を起こす役目を誰一人として譲ろうとしません。
「ん?だから俺は・・・」
最後に残ったものが真の王子だという事になり、3人は剣を抜いてお姫様をめぐって戦いを始めたのです。
「えーと・・・・そう言うなら・・一応やっとく・・・?」
王子たちはいまいち釈然としない表情で剣を構えました。
どれくらいの時間が過ぎたでしょうか。3人の実力は拮抗しています。
剣ではラチがあかない。そう判断したドエス王子は得意のバズーカを持ち出す事にしました。
「・・あ?いやちょっと待ちな、俺今回バズーカは持って・・」
2人まとめて片付けてやるぜ!そう言ってドエス王子が右手を上げるとそこには黒光りするバズーカが構えられていたのです。
「え・・えと・・『ふたりまとめてかたづけてやるぜ』・・?・・ってほんとにバズーカ出た!なんかわかんねぇがとりあえず死ねェェェェ!!」
テンパ王子はいちご牛乳を、マヨラ王子はマヨネーズを取り出しそれぞれ手に持って応戦します。
「こんなんで応戦できるかァァァァ!!!」
2人は・・・えーと、なんやかんやでうまいことバズーカと互角に戦っています。
「『なんやかんや』って何ィィ?さっきからナレーションおかしくねぇ!?」
頑丈な塔はバズーカで崩れる事はありません。しかし壁の内側は砕かれ、床は割れ、破片やほこりが部屋の中に充満しました。
床はいちご牛乳とマヨネーズでベタベタです。こんな空気の悪い部屋でいつまでも寝ていては、呼吸器にもお肌にも良くありません。
「もう、3人ともうるさぁぁぁぁぁい!!!!!」
なんと、(ある意味)王子様達の力によってお姫様はぱっちりと目を開けたのです。
「何なんですかもう!私の事助けにきたんじゃないんですかっ!?こんな狭い所で3人で大騒ぎして、私まで危ないじゃないですか!目も覚めちゃったしもういいですっ!」
怒ったお姫様は3人の王子を残してプリプリと部屋を出て行ってしまいました。
お姫様が目覚めたことで、お城の時間も動き出しました。シチューは再びぐつぐつと音を立て、庭の鳥たちはさえずり始めました。
塔から降りたお姫様は窓拭きをしていた雑用係の青年「ジミー」と一瞬で恋に落ち、結婚していつまでも幸せにくらしました。
一方3人の王子は、お姫様が部屋の扉を力任せに閉めた時にうっかり外から鍵がかかってしまって塔から出る事ができず、ずっとその部屋で3人仲良く一緒にいました。
そしてそんな3人の姿を13人目の魔女は毎日水晶で眺めてニヤニヤしながら楽しくすごしたのです。
めでたしめでたし。
〜CAST〜
姫
:
13人目の魔法使い
のぶたす
:
12人目の魔法使い
近藤
:
糸紡ぎの老婆
キャサリン
:
ドエス王子
沖田
:
マヨラ王子
「「「ちょっっっとエンドロール待てコラァァァァァ!!!」」」
―え、なんですかもう終わりましたよ王子様達。
「なんっかおかしいと思ってたんだ!俺達の行動をナレーションしてるっつーか途中からナレーションに俺達が引きずられてただろうが完全に!」
「俺なんかセリフまで誘導されましたからねィ。最後の最後で正体わかったぜ、ナレーションやってんのてめぇ山崎だろ!」
「ていうか『いつまでも3人仲良く暮らしましたって』いらねーだろキモイわ!誰得だそりゃコノヤロー、ジミーてめぇこっち降りてきやがれ!!」
3人の王子の声は、再び時間の動き出したお城の楽しい笑い声によってかき消され、誰にも届く事はありませんでした。
――物語ってのはなんだかんだいってナレーションが一番強いんですよ、言ったもん勝ちです。
(ちなみにラストはのぶたす希望により特別に加筆されました。)
:
ジミー/ナレーター
山崎
:
テンパ王子の母(友情出演)
神楽
:
<HAPPY END?>
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ねこさんへ。5万ヒットおめでとう!
スイマセンほんっとスイマセン、ヒロイン全然出番なかった!!
そしてのぶたすを書くのが楽しかったよ!私が楽しんだって仕方ないんだけど!
ヒロインの影が一番薄い、それがseiruクオリティ。
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seiru美緒様から5万記念プレゼントでこんな激しい(激しい・・・?)お話しいただいちゃいましたー!
銀魂らしくぐだぐだでくだらなくて、でも笑える(ほめてますよ?めっちゃほめ言葉ですよ!)素敵なお話をいただいて、わぁぁああ!すごくうれしいです=*^ω^*=
ただ、一つだけ書き換えていいのなら、
「一方3人の王子は、お姫様が部屋の扉を力任せに閉めた時にうっかり外から鍵がかかってしまって塔から出る事ができず、ずっとその部屋で3人仲良く一緒にいました。」
を、
「一方3人の王子は、お姫様が部屋の扉を力任せに閉めた時にうっかり外から鍵がかかってしまって塔から出る事ができず、ずっとその部屋で3人で暮らすことになり、
でもそうなると必然的に新密度も増してやがて3人の内2人が残りの一人に恋に落ち醜くも激しい愛の戦いが始まったりして、
最終的に、
「・・ホラ、言えよ・・・どっちが気持ちいい?」
「あっ、そんなの・・・決められな、・・あぁっいやん」
「可愛らしい声出しちまってまァ。こうなりゃいっそ二人とも相手してくれよ」
「えぇっ、そんな、無理・・・!」
「おらおら」
「きゃぁん」
・・・・・的な様子を妄想しちゃったりなんかしつつ、13人目の魔女は毎日水晶で眺めてニヤニヤハァハァしながら楽しくすごしましたとさ。」
に書き換えたいハァハァ・・・・!
・・・と、猫の中ののぶたすが申しておりましたハァハァ。(死ねばいい
と、それは冗談として(えぇぇ
美緒嬢、ほんとにほんとにありがとうございましたー!とりあえずお兄ちゃんもうちょっと頑張れお前www
真選組に女子隊が結成されてつんつんメガネ女子とかヒロインキラー苺とかが大活躍しちゃう美緒嬢のサイトは
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