押しつけた唇が離れるころには、の目じりにはうっすら涙が浮かび、呼吸も荒く、短い息が断続的に吐き出されるのみとなっていた。
あーあ、あれほど呼吸するのを忘れるなと言ったのに。
ソファにゆっくりとその体を押し付け、上から覗きこむついでに目尻の涙を舌ですくってやる。
「もっと、もっと欲しい」
語感が甘える子供のようになっているたのは、銀時も十分理解していた。
「ひゃ!・・んっ・・」
「なぁ・・・まだ沖田くんにちゅーとかしてやってんの」
首筋にキスを落としながら問いかける。
「あっ・・今まで通りにしろって言ったの、銀さん、でしょ・・」
「・・・・・・・・・・」
その通りだ。全くどうやって躾けたのか知らないが。
あの少年はすっかりこの娘に籠絡されている。それはそれは、傍から見て面白いくらいに。
恋愛感情と言うよりは亡き姉を重ねて縋りついているようにも見えなくはないが、それでもこれまで歯が浮くほど甘やかしてきたのだ。
籠絡されていようとも、彼は勘が鋭い。そうでなくても、我儘なアレはが思い通りにいかないと拗ねる。全く子供だ。
「でも・・口にちゅーはやめましたっ・・よ・・」
「・・つーかそれ今まではしてたってことかよ・・」
「あはは・・・だって、可愛いんだもん・・はあっ・・!」
「土方君は・・?」
「土方さんとはもともとそんなことしてませんっ・・」
口の端を上げながら、荒い息交じりに「嫉妬?」とが聞いてくる。
ああそうだよテメーみてェな逆ハーレム状態で彼氏が嫉妬しねー方がおかしいだろうが普通よォ。
しかし実際銀時には本来嫉妬する資格すらないのだ。
それでもいいと言ったのは自分だ。名実ともに自分のものにならなくてもいい。
でも、ただ、自分といる時だけは。銀時を一番に優先させて欲しい。「俺のもの」と銀時が思う事を許可して欲しい。
そんな間柄。それでよかったのに。
ああーだめだ。
どんどん欲張りになる。もっと縛りたくなる。
沖田君の目の前でに首輪付けて引きずりまわしたい。
土方君に見せつけるようにしてと抱き合ってやりたい。
男の嫉妬は醜いものだ。
に笑われた気がして悔しかったので、その胸のふくらみに噛みついてやれば、ひくん、と体がのけぞった。
「ひゃ、いっ、たぁ・・やぁっ・・!」
「オイお前・・下スゲェ事になってっぞ」
「そんな、こと・・あ、はぁっ、やあんっ!」
クチュ・・・、下着の中に滑り込んだ手が愛液の滴るそこを掻き回す。
ごくり、喉が音を立てるのが聞こえた。他ならない、自分の喉だ。
それからしばらくの間、銀時は欲情ににじんだ瞳での様子を観察していた。
もちろん下半身でうごめかせる指は止めないで。端っこからどんどん溶けていく思考でうっとりと見つめる。
・・いい眺めだ。
「や・・銀さぁあっ、あっ、ぁあんっ、そ、な、見なぁ・・はぁっ、んぅっ・・!」
「オメーのココ、すげぇのな。銀さんの指うまそーに咥えて、じゅぷじゅぷ音まで立ててしゃぶってよォ・・」
「恥ずか、しぃっ・・!そんぁこと、言わなぁあっ、はっ、ああやあっ!」
「なに、ここイイの?」
娘の体が跳ねるポイントを指の腹でひっかきながら囁けば、はびくびくと震えながらもいやいやと首を横に振った。
体はこんなに素直に反応しているのに、説得力のかけらもない。銀時は目を細めた。
はだけた胸元、肩から腹へうっすら残る刀傷に舌を這わせる。
「きゃぅん!」と、が仔犬が足を踏まれた時のような声を上げて、それにすらぞくぞくと背中を快感が駆け上がった。
僅かに残るこの傷跡にだって嫉妬する。どうせ残る傷なら、この傷だって俺が付けてやりたかった!
きゅぅぅ、と思い切り吸いついて、せめてもの抗いだと傷の上に赤い点を残す。それと同時に咥えていた銀時の指を、が思い切り締め付けた。
「本当は、分かってんだよ。こんなの無駄だってこと」
「・・え・・?」
「“本当に”お前を全部俺のものにしてェよォ・・・」
「え、え、銀、さ・・?」
「入れるぞ」
「え、待っ・・はッぁ・・!」
「きっつ・・・!」
銀時の進入を拒むように、の中はぎゅうぎゅうと侵入してきた異物を締め付ける。
しかし根元まで咥えこんだとたん、それは今度は銀時を離すまじと温かくからみついてきた。
「ちょ・・・っ、力、抜いて・・・やばいから・・・」
「む・・・ちゃを、言いまするな・・!」
「・・はは・・何語だよ・・んっ・・!」
「はぅんっ、や、あ、あぁっ!」
ゆるゆると腰を動かせば、艶のある鳴き声が次々にの喉から溢れる。腰を止めるつもりなど毛頭ない。て言うか不可能。
自分の下できゃんきゃんと苦しそうに喘ぐ娘に、言い知れぬ征服感が芽生える。
今は、この時だけは、コイツは俺のものだ。俺だけのモンだ。
銀時の自身が大きくなる。それに反応してがきゅうと締め付け、またそれによって更に銀時のものは体積を増した。
本当に・・・吐き気がするくらい。
「へへ・・最ッ低・・・」
「あっ・・なに、がっ?」
「や、お前じゃねェよ・・・」
やってる途中でゲームのエンディングが読めるってほど、空しいモンもねェよなァ・・。
うちつける腰が速度を増す。
「銀、さ、あっあっ、わたし、もぅ・・」
「はァッ・・・イけよ・・俺も、んぅ・・ッ」
ふわふわとした浮遊感の中、目の前で白い花火がはじけた。
「銀さん、銀さん」
「ん、ぅ・・」
「本当信じられない・・・いつまで寝てんですか、ホラ起きろ天パ侍」
カァ、カァ、とカラスの鳴き声。
耳に届いた声が新八のものだと認識した瞬間、がばりと銀時はソファから飛び起きた。
ばさりと落ちたのは開いたまま顔にかけてあった今週号のジャンプだ。
危うく正面衝突を避けた新八が額をぬぐう。
「あっぶな!!ちょっと銀さん、もしかして昼間っからずっと寝てたんですか?アホになりますよアホに」
「新八・・お、お前らんトコに、、来た?」
「さん?来ましたよ。銀さんの誕生日で奮発したって言って・・“特大ケーキ”進呈してくれましたけど」
「ケーキ・・?」
「はい・・・・つか銀さん、アンタすげぇ格好で寝てましたよ。なんで顔だけじゃなく股間にまでジャンプかけて寝てんですか」
「へ・・・?」
銀時は自分の下半身を見る。
そこには飛び起きる前の銀時の頭と同じように・・・適当にページを開いたジャンプが股間を覆うように被さっていた。
「あれ、って言うか銀さん・・・今週号のジャンプ二冊も買ったんですか・・?」
先程銀時の顔からずり落ちたジャンプと表紙を見比べながら頭を捻る新八が言い終わる前に、銀時は股間のジャンプを素早く手に取っていた。
裏表紙に、油性マジックで何かが書いてある。
控え目な丸っこい文字と、力強い流し書きの文字。
『HappyBirthday!銀さん! 』
『 俺と姉さんからのプレゼント、心して受け取ってくだせえ 沖田 』
『↑沖田さんはお金払ってません。私からのプレゼントです 』
ぐしゃ・・・ジャンプを持つ手に力がこもって、分厚い冊子に僅かにしわが寄る。
来てたのか・・・・!!
しかも、総悟と二人で。
ありゃぁ、旦那寝てるやぁ
起こしちゃ悪いですよ沖田さん
ぎゃははははは!何この男!そーだ、コイツの裏にメッセージ残しといてやりましょーぜ
ちょっとォォォ!!何とんでもない事書いてんですか!消しなさい!!ちょっと、貸してください、もう・・
チクショー仲良さ気にしやがってコノヤローが。
きゃいきゃいとじゃれあいながら、油性マジックとジャンプを取り合う二人の姿がはっきりと目に浮かぶ。
大きく一番上にぐしゃぐしゃと消した跡があるが、その奥に書かれた文字を辛くも読み取って、銀時は耳まで赤くなった。
『欲求不満侍ww』
むっきィィイイーーーー!!!!
びったーん!!
思い切り床に叩きつけたジャンプは予想より大きな音を出して、ビクリと新八が飛び上がる。「ど、どうしたんですか何があったんですか」
ちくしょうちくしょうちくしょう!俺の馬鹿!欲求不満!!なんてカッコ悪い!!
そして沖田あの野郎ゥゥゥウウウウ!!!
そしてそして何故にジャンプゥゥゥゥ!!?
イヤ、ケーキは皆で食べるものとして銀時“だけ”に向けたプレゼントを用意しようということになったんだろうけれども!!
2011年10月10日。本日月曜日・・・・・・・・・祝日。
ジャンプは時々土曜に出るから気を付けろォォォォォォオオオ!!!
「ふざけんなぁァァァアアアア!!!」
突如天井に向けて吠え始めた万事屋の主人を、新八はおろおろと見守ることしかできない。
いったいどうしてしまったというのだろうかこの男は。ついに壊れたか?イヤ初めからか。
でも一応聞いてみる。
「誰に向かって言ってるんですか、銀さん」
銀時は、誰もいない天井の、いや、天井よりももっともっと先の空の上、天に向かって、鋭い睨みをきかせていた。
この世界ではない、どこか違う世界の誰かに向けて、思いっきり叫ぶ・・・・・涙目で。
――――――――――――――― 報われないとか報われるとか、そーゆう話をしてるんじゃないんですよ!!!!
―――― 誕生日話がこれって、どういうことですか(銀時)
ほんわかどん底end(ちょっおま)
皆に見えるように裏になんてしなければよかったwってくらい(銀さんには申し訳ないですが)お気に入りのオチ(笑)
信じてもらえると思いますが(ぇ)ねこは銀さんの事大好きです!!
だってよく考えて御覧。『屯所猫のランキング』で彼が一位と言うことは、この報われない感じも人気の一つと言うことで。
あ、銀さんの中では動乱編の傷はそんなに深くは残ってないと思ってるようですね。(何のフラグか)
そんなわけで無理やりまとめますww銀さんお誕生日おめでとうございます!
2011.10.10 HappyBirthday! 管理人:ねこ えんじゅ=*^ω^*=