※注意。このお話はヒロインがしばらく高杉さんに掻っ攫われて、帰って来た時のお話です。(一ヶ月くらい?)
その間真選組とか万事屋とか裏で社長とかが、必死になって探してた、って設定。
団子屋の店先に出された客席で、総悟は目を疑った。
今しがた出てきたばかりの出来たての団子が、口に入る前に串ごとぽとりと地面に落ちる。
そのまま脇目も振らずに通りの人ごみに突っ込んで行った総悟の耳に、後ろから「沖田さんお金!」なんて言葉が入ってきたが、生憎聞き入れることはできなかった。
馴染みの店だ、つけておいてくれ、次行った時に払うから。だから、
がやがやと賑わうお江戸の往来、少し前を歩く人物を何とか見失わないように細心の注意を払いながら、総悟は行き交う人の中をかくように進んだ。
身長は高くないため人込みに隠れてほとんど見えないながらもちらりちらりと見えるのは「それ」が来ている姿など見たこともない深い青紫の着物。
それでも。
腕を伸ばしてその女性の手首を掴む。
よほど力が入っていたのだろうか、掴んだ瞬間ミシ、という音が聞こえて、折ってしまわないか冷やりとした。
「姉さん」と言葉が出てこないのは、
足元を見たまま顔があげられないのは、
人違いではないかという危惧と同じくらいの「本物だったらどうしよう」という危惧があったから。
「・・・・沖田さん・・?」
びくり、と総悟の肩が跳ねる。
恐る恐る見上げた先にいたのは、総悟の見たことない青紫色の着物をまとった探し人の姿だった。
「苦しい、ですよ」
「すんません、すんま、せん」
恐らく視界は真っ暗であろうのそんな訴えにも、彼女をしっかりと抱きつぶしたこの両手の力を弱めることは不可能だった。
「アンタ、・・本当に、、なの・・・?」
偶然街を歩いているところを見つけ、駆け寄って声をかける。しかしその手をとった瞬間霧のように消えてしまい空を握る掌。
そんな夢を何度見たことか。
一瞬でもこの抱きしめる手を緩めれば、“この”も消えてしまうような気がして。
抱きしめた体は総悟を拒否して押し返そうとするでもなければ、再開を喜んで抱き返してくる様子も見られない。それがまた彼の不安をあおった。
「どうやって、戻ってきたんですか」
「戻って・・くる・・・・??」
ぎょっと青くなった総悟が腕の力を緩めて抱きしめていた娘の顔を伺う。
こちらを見上げるの瞳は夢でも見ているかのように虚ろで、ぼーっと遠くを見ているようだった。
「お・・・・俺の事、分かりますか・・・?」
「沖田総悟・・さん・・・ですよね・・?」
ホッとしたのもつかの間、腕の力が緩んでいる事に気づいて慌てて抱き直す。
「うぐ」と苦しそうなうめき声が聞こえてきたのでハッと込め過ぎていた力を緩め、それでも不安だったのでもう一度力を込めた。
名犬らっしーの主人の気持ち
この娘が総悟たち真選組の前から姿を消して1カ月が経っていた。
攫った犯人も分かっていた。分かっていたからこそ、もしかしたらもう二度と会えないのではないかという危惧が真選組を襲った。
死ぬほど後悔した。部下にも殴られた。目の前にいたのに何もできなかったなんて。
会いたくて仕方なかった相手なのに、会ってしまった今は不安で仕方がない。
「ごめんなさい・・・何だか、記憶が曖昧で・・・」
「そうじゃねェだろ。今アンタ、俺に脱がされてるんですぜ・・」
精神の不安定な娘をホテルに引っ張りこんで脱がすなんて。しかし、なんとでも言うがいい。
ベッドに座らせ後ろに回って帯を解きながら総悟は小さく舌打ちする。は抵抗もせずに大人しく腰かけていた。
パサリと帯の落ちる音がする。
「今朝も、・・・どこで起きて、どうやってここまで来たのか、全然・・おぁっ・・・」
着物の合わせ目の隙間から見えた大きな傷跡に、
の話などろくに聞かずに押し倒してしまった俺を許して欲しい。
「アンタ、攫われてたんでさぁ・・一ヶ月近く」
「いっ・・・かげつ・・?そんなに?」
こくり。頭の隣に埋まった薄茶色の髪が揺れる。
その手はゆるゆるとの胸の上をなぞっていた。
右肩から、胸の間を割って、左腰まで。斜めに大きく切り裂かれた後。自分のせいで付けられた傷。
前まではこの傷を見るたびに自分の無力を呪いやるせなさでいっぱいになったが、今はこの傷跡がある事がやけに安心する。
本物だ。偽物じゃない。
でも、ねーさん、アンタは本当に戻ってきてくれたんですか。
また直ぐにどっかに居なくなっちまうんじゃねーんですか。
そんなことを考えながらの胸の傷跡をたどっていると、ふわりと頭に温かい温度を感じる。
ゆっくりと視線を合わせれば、とても優しい表情でがほほ笑んだ。
「心配掛けて、ごめんなさいね・・・」
「・・ただいま」
・・あー。俺、許して欲しいばっかりだ。
押しつぶすようにの腹の上に乗っかって、噛みつくような、縋るようなキスをする。
頭の上にあったぬくもりは、その最中もずっと離れることはなくて。あ、駄目だこれ、俺、泣くわ。
ねっとりと舌を絡め、かきまわして、唾液を注入する。
息継ぎに離れた唇の間から透明な糸がひき、邪魔だと脱いだ隊服の上着と抜き取ったスカーフをベッドのわきに放り投げた。
「んんっ・・・ふ・・ん、ちゅ・・・んぅ、ん、」
「おか、えり・・・・・・・・は、む、・・んっ・・」
「んあっ・・!」
が甲高い声を上げたのは、右肩の傷跡の上から強く吸われたからだ。傷口は完全にふさがっているとはいえ、触れられて気持ちの良いものではない。
左手だけはの右手としっかりつなぎながら、総悟はぴちゃぴちゃと丁寧に舐めていく。
そのたびに得体のしれない疼きがぞくぞくとの背中を駆け上がった。
両胸の控え目な膨らみにも総悟の舌は伸びた。ブラをたくしあげれば慌てて制止に来るの左手をいなし、その先端を口に含む。
舌の上で転がして、わざと音の出るように吸って、しつこく舐ぶれば、艶のある吐息がから漏れた。
「ひっ、あっ、お、沖田さん・・・ちょっ、とっ・・あ、そっちは、ねぇってば!」
「ん、はぁ・・・勘弁、して下せぇ。止まんねぇや・・んっ・・」
「やっ、め・・・あぅっ・・んぁっ、あ、き、汚い・・・!」
胸から傷を伝い下がって来た舌が、下着の上からの中心をなぞる。
足を閉じようにも足の間に割って体があるため、それ以上閉じられない。
ひょいと足を持ちあげ器用に片手で下着を取り去った総悟は、露わになったのソコを下から上に中指でさすりあげた。
「ん、くぅ・・!」
「わぁ・・・」
声を押し殺しながら、は左手で顔を覆う。見られた。
指の先っちょでゆるりと掻き回されただけでくちゅ・・という音が響くそこは、自分でだって熱く濡れそぼっている事が自覚できる。
総悟に、弟のように可愛がってきた男の子に舐められて、触れられて、ぐしゃぐしゃに濡らして・・・恥ずかしい。恥ずかしい。
特に相手はあのドS星の王子。どんな抉るような言葉で辱めて来るかと思いきや・・・、
ふっ、と小さく笑う息が聞こえたかと思えば、総悟は無言での中心にしゃぶりついてきた。
「んひぁっ・・ん、んぅ・・・!くっ、んっ・・ぅぁ・・っ!」
「声・・・んっ、・・我慢、しねェで・・・・・・ホラ・・!」
「そんっ・・んにゃあぁっ?!・・あっ、あ!んっ、んぅっ、っやあぁ・・!」
じゅ、じゅっ、と音を立てて愛液を吸い上げられれば、びくびくと腰がのけぞるようにはねてしまう。
顔に似合わず意外と太い指がつぷ、とゆっくりの中に侵入して来て内壁を擦った。
同時に中心の小さな突起を舌で潰され、無意識に涙が出る。ぞくぞくとせり上がって来るような強い快感の波に、は震えた。
開きっぱなしの口からはあられもない喘ぎが溢れ、押さえようとしてもどうにもならない。体が言う事を聞かない。
怖ろしくて、腹の上にある総悟の頭に手を置きその髪を握りしめれば、ふいに総悟が頭を上げた。
ぬるぬるとの中でうごめかせる指はそのままに、ゆっくりと目線を合わせられ、目の前で囁くように聞かれる。
「気持ちイイ?」
その口元にはの愛液であろう透明な液体でてらてらと輝いていて、息もあがり、頬は赤く染まっていた。
もうワケが分からなくて、恥ずかしくて、でもどう答えたらよいのか判断に難しくて、は涙を零しながら首をかしげることしかできない。
そんなの仕草を見て、総悟は何かを堪えるように小さく歯を見せて笑った。その顔が近付いてきての瞳から零れた涙を掬いとる。
「俺の指で、舌で、感じてくだすったんですかィ・・・・そいつぁ、光栄でさぁ・・」
「ぇ、あっ!?んっ、や、あ、あっ!んぅっ」
喘ぎ声ごと口を塞がれた。んっ、んっ、と鼻にかかったくぐもった声と、ぐちゅぐちゅ、じゅぷ、と粘液のかきまわさる音が部屋に響く。
ふと、奥まで到達した総悟の指が弱いところをかすめて、の体が大きく跳ねた。
こくり、との唾液を飲み干した総悟が舌舐めずりをする。
ここ、いいんですかィ?
その場所を探り当てられしつこく攻め立てられて、はイヤイヤと頭を振った。何とか声を抑えようと、横を向いて自分の肩に口を押し付ける。
今までで一番の波が押し寄せてきて、空いている方の手を総悟の背中に回してぎゅぅ、としがみついた。
「だ・・めぇ・・・っお、きたさんっ・・あ・・ふぁ、なんか、来ちゃ・・ぁっ」
「俺なんかの指でイってもらえるなんて、最高に幸せで、さ」
「んんぅ、んっ、あ、ああっあぁぁぁ・・・っ!」
びくんっ、と大きく震えた後に、総悟にしがみつきながらは何度か浅い痙攣を繰り返した。
「・・・・はぁっ・・やべぇ・・」
「・・はっ、はぁっ・・ん、ぅ・・・?」
ずっと総悟と握ったままだった方の掌が解放され、の口に押し付けられた。
治まらない荒い息遣いのまま見上げれば、こちらも荒い息遣いの、真っ赤になった総悟の渇望に潤む瞳と目が合う。
「おれ、のも・・触って・・、素手じゃ、痛ぇから・・舐めて、濡らして・・」
ハァハァと苦しそうに肩で息をしながら、カチャカチャとベルトの金具を外していく。
はぽけぇ、とその姿に見入ってしまった。
普段表情の変化の少ないこの子の、こんなにも余裕のない表情を見た事がなくて。
再び総悟に腕を掴まれてハッとする間もなく、その手のひらは総悟の口へと含まれた。
「も、いぃ・・・おれが、舐める、から・・・」
「お、おきた、さ・・」
「おねがい触って・・・・・は や く」
総悟の唾液まみれになった手を引っ張られて、ぐい、とそこに押し付けられる。
戸惑うはお構いなしに、総悟はの手の上から自分のものを乱暴にしごき始めた。
湿った息遣いや時折漏れる吐息の混じった呻き声に、こちらの鼓動も早くなる。
虚ろな瞳と目が合えば、総悟は一瞬だけ動きを止めた。
そして視界が真っ暗になる。
「・・あんま、見ねぇで・・・っ、はっ・・・!」
「ぅ、ぇ、おっ、沖田さん・・」
「いっ・・・とく、けど、おれ・・・っあ・・」
「普段は、最中でもっ・・もっと、余裕ある、から・・・・っ」
「・・ぅ・・・ぁあ、もぉ・・・・っ・・・!」
熱を持った声でささやかれた内容に、その後の絞り出された切なげに裏返った声に、
が顔を真っ赤にしたと同じくして、腹の上に熱い飛沫がはねた。
荒々しくの腹を拭ったスカーフをぽいと投げ捨て、総悟はの隣にばふり、と倒れ込んだ。
「あーーー・・・・・なんか・・とんでもねェ事をしちまった気がする・・・」
「とんでもねぇことですか・・・」
「とんでもねーだろーよ!あー最悪だよこれ・・」
「じゃぁなかった事に・・・・」
「ヤダ」
「それはイヤなんだ」
「当然・・・・や、あの、怒って・・・」
くすり、は噴き出した。そしてむくりと起き上る。
かかっていたシーツがずり落ちて、こちらを見ていた総悟が慌てて反対を向いた。
「沖田さん」
「・・・なに」
「キモイです」
「なんでだよ!?」
「私の知ってる沖田さんはこんなことでうじうじする程神経細い人じゃありませんでしたし」
「・・・・」
「寧ろ「え?何か?」みたいに開き直るくらい図太い神経の持ち主でしたし。あとSですし」
「・・・・」
「・・もしかして、私がいない間ずっとこうだったんですか?遊び相手がいなくてナーバスになっちゃってたり?」
「・・・じょーとー。「退くん」に自慢してやんよ」
「ふふ、そうこなくちゃ」
帰りましょうか。
着物を合わせようと立ちあがった所でふらついた体を、そっぽを向きながらも総悟が支えてくれる。
いつまでもそんな貧相なもんおっぴろげてんじゃねーや。
「ただいま」
そう言えば、むすっとしたまま総悟が振り向き・・・いややっぱり口の端がどうしようもなくニヤついてしまっていたけれど、
そんな総悟に抱きすくめられた。
「おかえりなせぇ、ねーさん」
何をかいてるんでしょうね、ねこです!テスト勉強の現実逃避に書きました。
総悟が相変わらずの誰だお前状態でごめんなさい。本当ごめんなさい。
むらむら、あ、いやむしゃくしゃしてやりました。反省してます。
高杉さんと一緒編の後のお話。件の高杉さんと一緒編はまたそのうち書きます(いつになる事やら)
最後にもう一度、ごめんなさい。