夕食の片づけもすんでリビングに戻る。
ぼーっと眺めていたバラエティ番組を消してこちらを振り返った恋人の表情を見て、は心の中でうわぁ、と溜息をついた。
嫌な予感。まあこの男のこういう表情に対するそれは外れたことはないけどね。
「おつかれさん」
嫌な予感を倍増させるフレーズ。似合わないねぎらいの言葉をかけながら、
真選組沖田総悟は悪戯を思いついた子供の用ににんまりと口角を上げて目を細めた。
**隠し味のあざとい使い方**
「なァ・・」
「・・・・・なに・・わっ、」
ゴゴゴ・・なんて効果音でも出しそうなどす黒い表情で、総悟がに迫る。
本能的に後ずさりしたその手はあっけなく捕まえられ、ぐいっと引き寄せられた身体は簡単に蹂躙される。こればかりはどうしようもない。
引っ張られる力のままにぼふっと総悟の胸にぶつかれど、流石相手はよろけもしなかった。
後頭部の髪を下に引っ張られれば自然唇を突き出すように顎が上がる。
苦しくて眉を顰めれば、笑い声とともに唇が降ってきた。
キスというよりは、唇に噛みつかれたイメージだけれど。
「いはい・・」
「なァ、やってみてェプレイがあるんだけど」
視界を奪って、縛るヤツ。
耳たぶを舐めながら提案されたそのきわめてアブノーマルな嗜好に、は内心ため息だ。
まぁ、(半ば決定事項であれど)こうして相手の許可をうかがってくるだけまだかわいいものだ。
しばらく前の事、の意思にお構いなしに特殊なプレイを強行してが本気で拗ねて以来、(一応は)反省したのかこうやってあらかじめ同意を求めようとするようになった。
イヤそれだからと言って。
・・・聞いただけで危険な香りがプンプンする損なプレイを、易々了承するほど、はMじゃない。
今までの経験上、暗闇でそこかしこをかまれるとか、トラウマになりそうだ。
「イヤ」
「なんでィつれねーな」
「釣られるか」
「なんもレベル高い事させようってんじゃねェだろ。ちょっと梗塞するだけじゃねェか」
「梗塞って言葉がすでに危ないよね。普段使わないワードだよね」
「私じゃなくて総悟が目隠しするなら、いいよ」
それは、拒否の嫌味の延長線のつもりだったのだけれど。
「・・・・・いいぜィ?じゃぁ、そうしやしょうか」
まさか、ソコそういうふうに乗ってくるとは思ってなくて、「えぇ?」とは間抜けな声を出した。
「鍵、なくすんじゃねーぜ」
「あ、うん・・・ってそうじゃねーよ。本当にやるの?」
「は?おめーがやりてーっつったんだろーが」
イヤやりたいなんて私は言ってない。
そんな事を思いながら視線を落とす先にいるのは、ベッドの上に胡坐をかいた、後ろ手に手錠をかけられた恋人の姿。
あぁ・・・幕府の備品をこんな私用極まりないことに・・・、そんな事を思いながら、は掌の中の小さな金属のカギを見つめた。
視線で急かされて、鍵を枕元の棚に置いてもベッドに上がる。
総悟の持参した(やる気満々かよ)真っ黒な布で彼の目を覆えば、ピクリと少しだけ体が動いた。
「きつくない?」
「おー」
「本当に見えない?」
「見えねェ見えねェ」
「・・嘘くさい」
「痛ェよ」
ぎゅっときつく頭の後ろで布を結ぶ。
彼の視界が見えないということは、それすなわちからも総悟の目が見えないと言う訳で。
・・・・何だろうこのものすごく悪い事してるようなこの感じ。
頬を撫でれば、再びピクンと動いた総悟の後ろで、カチと金属のぶつかる音がした。
チッ、かすかな舌打ちが聞こえる。どうやら動きを手錠に阻まれてガチャガチャ音を立てるのはプライド的に嫌なよう。
何だかかわいくてその唇に舌を這わせれば、驚いた様な声が小さく漏れる。
「ごめん。でも総悟なら手錠くらい引きちぎりそうだよね」
「イヤそれはムリだろ・・」
「えっと、どうしたらいい?」
「ん、じゃぁキス」
「はいはい」
唇を合わせる、直ぐに離せば怒られた。
いつもは自分が満足するまでその手で後頭部を押さえつけて口内をまさぐるのに、それができない不満な声。
なんだかしてやったりな気分。口の中で笑いながらもう一度口づければ、ガブリと噛みつかれた。
「痛い!」
「ナニにやにやしてんでィ」
「にやにやしてないもん。総悟見えてんの?!」
「見えなくてもそんくらい分からぁ」
ガチ、総悟の背中で鉄の音がして、むす、としたまま総悟がもたれかかってくる。
ふんふんと鼻先で嗅ぎ分けると、胸のボタンを見つけた総悟は口だけで器用に外してみせた。
器用な奴め・・・そんな心の内を読まれたのか、胸の上で鼻で笑う音が聞こえる。
手持無沙汰だったのでその一生懸命ボタンを外す頭を撫でてやれば、の服を現在進行形で涎まみれにするその体はまたぴくんと跳ねた。
「お前・・・今日どんな格好だっけ」
「今日は寒かったからね。羽織の下にニットのチュニックで、その下にシャツ着てるよ。ちなみに下はタイツ」
「うげ。なんで今日に限ってんなめんどくせー格好してんだよ」
「言ってくれれば自分で脱ぐのに」
「自分で脱いでくれるならその間だけ目外して」
「ばーか。見られてないから自分で脱ぐんでしょ」
しゅるり、総悟が(頑張って)外してくれた羽織から袖を抜けば、総悟は大人しく黙ってしまった。
視界がふさがれてるから、ちょっとの布擦れのおとも聞き取れてしまうのだろうか。
耳を澄ましてるのだと、何となくそう察する。
そう思うとなんだか妙に悪戯心がうずいて、いつも被害にあってるのはこっちなんだからと、自分で頷いてはそーっと総悟に体を寄せた。
「そうご」
「っ!!急に触んな、ボケ!」
耳元でささやいて、指先を伸ばすのは総悟の腹の下だ。
ガチャ、と手錠が大きな音を立てて、総悟が舌打ち。なんだかその行動がかわいらしい。
耳たぶを甘噛みしてやれば、はぁーっと横から大きなため息が聞こえた。
「随分楽しそーで」
「あはは、まぁ」
「アンタも大概Sっ気持ちだよな」
「そんなことないって」
「どーだか」
「っ、・・・今日は、随分と、大胆で」
ベルトを外しながら、布の上から歯を立てれば、総悟の身体が跳ねた。
「この間は頼んでもフェラなんてしてくれなかったくせに」
「だって総悟頭抑えるじゃん・・あれすっごく苦しんだよ」
「知っててやるんじゃねェか」
「ウワァ、ドエスめ。変態」
「梗塞されたドエスなぶってコーフンしてる痴女に言われたかねェな」
「きゃ?!」
ぐるん、と押し倒されて上下が逆になる。
総悟は腕が使えないのだから、体で押さえつけられた形になるのだが。
おっとっと、とよろけた後、のしかかった体が改めて重みを増す。
はむ。と唇ではまれたのは右頬だった。
「ん。ぁー、くち、どこ」
「ここ」
「んー・・・」
唇で肌をたどって、視線の隠れた男に唇をふさがれる。
双方の唾液が音を立てて混ざって、口の端からあふれた。
絡め取られた舌をガリ、と噛まれる。
見えてないはずなのに、の苦しげに歪んだ表情を見て、総悟が笑った気がした。
「した、破られたくなかったら脱ぎなせぇ」
下っていった総悟の鼻先が、熱く濡れそぼった中心をかすめる。
カチ、カチ、と時折背中を鳴らしながら総悟の舌がまわりを這った。
視界がふさがれているうえに、動きも制限されている、指先が使えないのはなかなか大変な不便だ。
鼻先で嗅ぎ分けて湿ったそこを探る、その姿はまるで動物のようで。
バター犬・・・
そんな言葉が脳裏をかすめた。
ちゅぷ、
差し込まれた舌に全身が震える。
「ぅ、っん、ぁ、は・・・」
喉の奥でほんの微かに漏れた音すらも、拾われてるような気がして。
「ゃ・・総悟、何か、んっ、喋ってよ・・」
「・・んっ、洪水でさァ」
「ばか・・」
ヘタなところを気づつけないようにという、らしくない気遣いなのだろうか。いつもと違い甘く歯を立てられて、思わず溶けそうな声が出る。
反射的に開かれていた足を閉じれば、支える腕のない状態のそれは総悟の頭を挟むように。
太ももの内側にさらりと触れた髪の感触に、真っ赤になったは慌てて閉じていた足を開く。だからと言って開くのも恥ずかしくて、ああどうしたらいいっていうの。
その間もぴちゃぴちゃと卑猥な水音は止まらずに。
こくんこくんと総悟が咽を鳴らす音が響いて、動きにくさから上がった吐息の熱が、ひくつくそこをさらに熱くさせて蜜の量を増やした。
「ふ、はぁ。流石に舌じゃぁ奥まで届かねぇな」
「やぁ・・総悟・・」
「ハ、興奮してんじゃねぇや」
「ばかぁ・・してないっ・・」
「奥は自分でほぐしな」
はっ、はっ、と新しい空気を吸い込みながら、息を荒げた総悟が耳元に噛みつく。
「出来るだろィ、見えねーのが残念だが」耳の奥にささやかれて、上がった息遣いが凄く心に来て、の手が震えながらゆっくりとそこに伸びる。
ちゅぷぷ・・、
はしたない水音に、耳元の総悟が至極満足そうな声を出した。
「いい子でィ」
その声でイきそうになったとは、間違っても知られてはいけない。
ぴと、と先端をあてがわれ、期待ににじむに振ってきた声はひどく無情なものだ。
「俺身体使えねェんで。アンタが入れて自分で動いて下せェよ」
起き上がってしまった総悟には唇をかむ。この男!
なんだかんだ言って最終的にやらせたかったのはコレな気がして。睨み付けれども総悟からは見えていないので効果はない。
起き上がったにもたれかかられて、くつくつとのどで笑いをもらす総悟の背中の後ろで、カチリと音が鳴る。
「・・・ん」
「これで、動けるでしょ。そんな恥ずかしい事、私、いやだもん」
自由になった両手をプラプラと振る、その隣でカシャンと金属の落ちる音。
総悟の両手首はうっすら痣になっていた。どんだけ力こめてたんだか・・。
奥をほぐす時からこうすれば問題なかったのでは、という考えが一瞬浮かんだが、知らないふりをする。
不満そうに見上げてくる(目は見えないけど)のに負けてはいけない。
自由を奪われた状態のあんなことやこんな事、思うように動けなくてまだまだ物足りないでしょ。
黙ってしまった総悟の、手が伸びる。
「ひゃ?!」
つい、と入口を撫でられて、飛び上がったの腰を総悟が引き寄せた。
完全に腰が引けている。上半身は総悟の胸に寄りかかっているのに、腰だけ突き出すように。
ぬるぬると軽く周りを撫でたその指は、そのままぬるりと中へ入ってきた。
自分の指よりも太くて長い。
「」
「んんっ」
「入れてぇ」
「入れれ、ば、いい・・」
「ん。でも・・・」
「俺今目見えねえから、任せると、間違えて違うとこ入れちまうかも」
かああ、と全身に血が廻った。
根元まで加えこんだ総悟の指が動けば、動いただけはしたない液体があふれる。
後孔をするりと撫でられて、真っ赤になったは片手で払いのけた。
「見えてねェから、平気だろ」
当て布をされた男にまたがって、自分で自分の穴を開いて腰を沈める。なんてはしたない図だろう。
ギュッと目を瞑って、ゆっくりと体重をかける。肉を分け入って、熱い塊が突き刺さっていくのをは感じた。
根元まで押し込んで、ひくり体を震わせながら呻る。こんな事、見られてる時じゃ絶対できない。
「これで満足でしょ・・」
「大満足でィ、ものすっげー・・・イイ眺め」
俺の梗塞解いたのはアンタだろ。自業自得でィ。
手に持った黒い布で素早くの手を後ろ手に縛る。
文句を言おうと口を開いた女は、総悟が腰を返せばすぐに閉じた。声が出ないように。俺は聞きたいんだけど。
背中に回した腕で体を抱き寄せて、もう片方の手のひらでの視界を覆った。
暗闇の中、喉元に噛みつかれて女がキャン、と鳴く。
両手が不自由じゃいつもの制止のげんこつも繰り出せないだろうから。
・・・というのは建前に。
存分に甘く優しく扱ってやろうじゃないか。
の好きなところを狙ってかすめてやれば、可愛そうな子猫ちゃんはとても甘い声を出した。
お疲れ様でした。SSWDちゃんとした版シリーズ(謎タイトル過ぎる
この二人は個人的になかなか気に入ってるのでちゃんとしたシリーズにしたいなぁなんて。
そしたらどんなタイトルになるんでしょうね。「ちゃんとした躾シリーズ」とかでしょうかやっぱ(笑
ご拝読ありがとうございました!